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【ゲーム実況・後編】ゲームから生まれたクリエイターたち

前回、ゲーム実況について その始まりと現在までの推移について見てきたが、 ゲーム業界はこの動きをどう見ているのだろうか

関連記事: 【ゲーム実況・前編】ゲームから生まれたクリエイターたち

ゲーム実況というコンテンツが増えてゆくということは一見すると、「ゲームが売れなくなるのではないか?」という見方もありそうだ。 実際、「実況で見れるから買わない」という声も聞く。 また、「ゲームの重要なネタバレをする」とい可能性を考えても ゲーム会社は慎重に考えざるを得ないのではないだろうか。

任天堂における、ゲーム実況の位置づけ

そんな状況ではあるが、全体を見るとゲーム実況の存在は 業界の活性化に一役買っているようだ。

なんと任天堂では、ゲーム実況を推奨するようなサービスが存在する それがこの Nintendo Creators Program だ。

任天堂は利益を獲得しつつ、ゲームの文化をより広げようと意図しているのだろう。 またこれは同時にクリエイター側から見れば 「実況動画を配信する事を許可されている上に、広告収入を得ても良い」 と明言されていることになる。

ゲームをアップするのは、映画と同じ?

次に、この動画を見てみよう。 https://www.youtube.com/watch?v=SuyXj76-wTY

映画、テレビ番組がYoutubeにアップされてるのを見たことはないだろうか? アーティストによる楽曲も同じだ。 クリックするも削除されてしまっていて、見れない・聴けないという場合も多い。

しかし、ゲーム実況はあまり削除されない。 上で紹介した動画内でも「海外では推奨されている」とコメントがしている。 いったい何が違うのだろうか?

実は、ゲーム実況もまったく同じで、コンテンツには著作権が存在する。 つまり、言い換えるとゲーム実況は「著作権違反」に該当するのだ。

著作権法10条1項7号の「映画の著作物」
映画の著作物には、映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物を含む(2条3項)。映画、ビデオグラム、テレビジョン、テレビゲーム、コンピュータなどの画面表示があげられる。 [参考] 著作物 -Wikipedia

著作権法の中に、はっきりと「ゲーム」と記載がある。

許可を得て載せることが原則

この記事も見てみて欲しい。 「映画泥棒は逮捕されるのに、何故ゲーム実況者は逮捕されないのか」

無断で作られたコンテンツ、それは言い換えれば 「権利者が一切のコストを払っていないコンテンツ」 なのである。

こちらは、任天堂に、配信許可を得ているところを、そのまま動画に載せている。 https://www.youtube.com/watch?v=sckg8bFeggs

当然だが、 ・ゲームを改造している ・過度の編集 ・誹謗中傷につながるようなもの は問題になり得る。 発売日前にアップするのもNGだ。

ユーザも企業も、全てに価値を

これはあくまで憶測なのだが、企業側として実況動画をチェックすることで そのゲームの新しい楽しみ方、進め方などといった 制作者すら気づかなかった価値 が生まれてゆく可能性も高い そしてこの気付きは、次のゲームの制作へと活かされる もしくはゲームに限らず、コンテンツクリエイター全体にとっても貴重な材料になるのではないか このような利があるため、文化となって定着しているのだろう。

まとめになるが ゲーム実況という文化には、とても分かりやすいポイントがある それは 皆が喜ぶコンテンツをうまく選べば、価値を提供することにつながる ということだ。 最新ゲームの深刻なネタバレは、企業側はもちろんだが、そのゲームを楽しみにしているユーザを失望させるかもしれない。 自分勝手な判断ではなく、「どういった価値を提供したいか」が根底にあることが コンテンツクリエイターにとって何より大事だと言えるだろう。

ゲーム実況はゲーム好きのための狭いジャンルのコンテンツではない。 より、本質的な価値を持っているのである。