【地方創生シリーズ④】"聖地巡礼"が新しい価値を生み出す
ドラマやアニメが、実際の町を舞台とし そこにファンが訪れる…
"聖地巡礼"
と呼ばれる現象は、全国各地でなんと年間100万人を動員する一大イベントだ。
もともとフィクション、SFなどを扱うことが多かったアニメの世界。 その世界に足を運ぶという発想はなく、
アニメ = 空想の世界
というイメージだったが、時代は変わって来ている。
▼聖地巡礼はいつごろ始まったのか?
このような文化は、いつごろから始まったのだろうか? 盛り上がりを見せてきたのは、およそ10年前だと言われている。 涼宮ハルヒ らき☆すた というアニメを知る人は多いかもしれない。
特に、「らき☆すた」で有名になったのが埼玉県久喜市鷲宮である。
その経済効果は、なんと10年で30億を超える規模だ。 https://twitter.com/erukuma/status/875138435253534720
参考URL: 久喜市鷲宮のSNS
2016年には流行語としてもノミネートされるようにもなった。 下記は、聖地巡礼マップとして、各地の情報をまとめるTwitterアカウントだ。 https://twitter.com/seichi_jr/status/804277237075709952
参考記事: 「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン新語・流行語大賞2016で『聖地巡礼』がトップテン入り
参考記事: 全国 アニメ聖地マップ
▼アニメから生まれた祭りも存在する
また、こういった一例もある。 石川県金沢市を舞台としたアニメ『花咲くいろは』では 「ぼんぼり祭り」 という物語上重要なキーとなるイベントがある
しかし、そのアニメにしか無かったイベントを、実際に現在行っているのだ。 https://twitter.com/yuwaku_bonbori/status/755004333427724289 すでに6回も開催されており、2016年は過去最高の約15,000人が訪れたそうだ。
これこそただのアニメの世界から、現実的な価値が生まれた例だろう。 アニメはもう終了して5年以上経つが、それでも今後ぼんぼり祭りはこれからも継続してゆくだろう。
▼YouTuberが聖地巡礼を取り上げる例
このように、人が実際に足を運ぶほどの価値を生み出せる「聖地巡礼」だが YouTuberが取り上げる場合も多い
「バイリンガールちか」もその一人だ。
https://www.youtube.com/watch?v=4cDsyUZetrE ↑君の名は。英語で再現してみた
https://www.youtube.com/watch?v=azekMj23wAg ↑「ラ・ラ・ランド」の聖地巡礼
また、こちらのYouTuberはその多くのコンテンツで聖地巡礼を行っており 日本の地方都市の魅力を伝えている。 時には、海外まで足を運ぶことも…
https://www.youtube.com/watch?v=fVvSzdu88SI&t=121s ↑茨城県大洗町の様子
▼まとめ
「誰もが分かる」 あるいは、 「分かる人だけ分かる、世界観を共有できる」 このような価値を感じるからこそ、今もよりいっそう聖地巡礼を行う人は増えているのではないだろうか。
これまで地方創生シリーズとして地方の町の魅力、情報などを見てきたが 聖地巡礼は、「実際に人を動かす」という力を秘めている まだそれほどYouTuberやインフルエンサーが大きく取り上げることは少ないが もし、 「名作アニメと、大物YouTuberがコラボ!」 といったような企画が立ち上がれば、かなりの話題になるだろう。
これはインターネットというオンラインの情報が 現実の世界というオフラインに影響を与えるという意味で、 O2O(Online to Offline) とも言えるのではないかと思う。 インターネットの可能性はまだまだ大きいことはもちろんだが、このように現実との結びつきを考えてゆくとより可能性が広がってゆくように感じる。
今後もこの「O2O」については書いてゆきたい。
【地方創生シリーズ】 ①SNSを使った町おこしが国を活性化させる ②ふるさと納税とYouTuber ③沖縄の文化を伝える動画たち